冬のこの時期、お子さまを持つ方なら1度は体験したことがあるのではないでしょうか。
突然の嘔吐。
中には毎年だよという方もいらっしゃるのでは。
先日、ぐりこ一家も急性胃腸炎になりましたので、胃腸炎についてまとめてみます。
急性胃腸炎と感染性胃腸炎の違いとは
急性胃腸炎は、感染源が不明、または感染力のない症状、風邪のような症状からの胃腸炎の場合のことを言います。
よくニュースなどで耳にするロタウイルスやノロウイルスなどによる胃腸炎も急性胃腸炎の一種なのですが、感染力のある胃腸炎ということで感染性胃腸炎と呼ばれ、一般的には急性胃腸炎と分けて考えられています。
急性胃腸炎、感染性胃腸炎の症状
急性胃腸炎でも感染性胃腸炎でも、症状はほとんど同じです。
・吐き気 ・嘔吐 ・下痢 ・腹痛 ・発熱
・倦怠感 ・脱水症状 ・まれに鼻水や咳
・血便が出ることも
・ロタウイルスは便が白っぽくなることも
胃腸炎は下痢や嘔吐の症状がひどくなると脱水症状を起こし、重症化することがあります。
高齢者やこどもの場合は早めに病院を受診しましょう。特に感染性胃腸炎の方が重症化しやすいので注意が必要です。
早く治す3つのコツ
水分をこまめにとる
急性胃腸炎、感染性胃腸炎になったら、脱水症状にならないように水分をこまめに摂りましょう。ただし、スポーツドリンクは浸透圧の関係などで弱った胃腸にはあまりよくありませんので避けましょう。
OS-1などの経口補水液が適していますが、美味しくないのが少々欠点です。
症状が良くなるまで無理に食事はしない
胃腸炎のときは胃腸がダメージをうけているので、無理に食事はしない方が良いです。
およそ2〜3日で症状は緩和してくるので、少量ずつ、おかゆなどの柔らかくて消化しやすいものを摂りましょう。
脂肪の多い菓子や消化しにくい野菜、こんにゃくなどはもうしばらく控えます。
下痢止め、吐き気止めは飲まない
胃腸炎の時の下痢や嘔吐は、体が有害なものを体外に出そうとする防衛反応です。辛いですが早く出せば早く軽快していくので、クスリで止めないで下さい。
病院でも整腸剤などは処方されますが、下痢止めや吐き気止めはあまり処方されません。自己判断で薬を飲まず、医師の指示に従いましょう。
感染性胃腸炎の予防法
現在は、感染源がはっきりすると、ノロウイルスやロタウイルスなどのはっきりとした病名が付きますが、検査をしない場合もありますので病院からは、原因が特定できないという事で「急性胃腸炎」と判断されることもありますので注意が必要です。
そのため、「感染性胃腸炎」と診断されなかったから必ず感染しないとは言えませんので、一家共倒れにならないように予防しておくことはとても大切です。
石けんと流水での手洗い
ウイルスは口から入ります。外出後や食事前には、家族全員石けんと流水でしっかりと手洗いをしましょう。
排泄物の処理に注意
こどもの嘔吐物や下痢の処理をする時は、マスクとビニール手袋をしましょう。
排泄物はビニールを二重にして漏れないようにします。
布団や衣類に排泄物がついてしまったときは、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
トイレを使用後は蓋を閉じて流す
これが意外に出来ていなし、知らない方も多いです。
排泄物などをトイレで流すとき、蓋を開けたままだと排泄物中のウイルスが水とともに舞い上がります。
それを口から吸い込むことでも感染してしまいますので、水を流すときは蓋を閉じてから流す習慣をつけましょう。
消毒液の作り方
ノロウイルスに対しては塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。
ここでは、家庭にある塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)と、ペットボトルを使用した作り方をご紹介します。通常、家庭用塩素系漂白剤の濃度は約5%ですから、それを前提にしています。
用意するもの
- 原液が5%の塩素系漂白剤
- 500mlの空ペットボトル
作り方
キャップ2杯(約10ml)の消毒剤原液を、ペットボトル1杯(500ml)の水に加えれば、50倍希釈となり、1000ppm(0.1%)の消毒液ができます。
⇒ 便や吐物が付着した床やおむつ等
キャップ半分弱(約2ml)の消毒剤原液を、ペットボトル1杯(500ml)の水に加えれば、250倍希釈となり200ppm(0.02%)の消毒液ができます。
⇒ 衣服や器具などのつけ置き、トイレの便座やドアノブ、手すり、床等の拭き取り
【注意】
消毒液は必ず塩素系のものを使用して下さい。酸素系や酵素系のものでは意味がありません。
誤って飲まないようにも十分気をつけて下さい
最後に
急性胃腸炎や感染性胃腸炎は嘔吐や下痢を繰り返すこともあり、本人にとっても、看護する家族にとっても、非常につらいものです。
基本は手洗いを徹底し、誰かが胃腸炎になってしまっても、二次感染を起こさないように対策することが大切です。
家族全員が健康に楽しく過ごせるよう、日々予防していきたいものですね。